FILFLA
FEATURE 030

minamoのメンバーであり、ソロ・ユニットとして様々なジャンル/サウンド・アプローチをFourColor、Vegpher、Fonicaの名義で使い分けて活動しているサウンド・アーティスト/コンポーザー、杉本圭一。FilFla(フィルフラ)はその多岐に渡る彼のサウンド・メイキングの中でも、最もカラフルでポップなソロ・プロジェクト。オーガニックで温かみのあるエレクトロニカ・サウンドを背景に、躍動的なリズムと耳を引く仕掛けやフック満載のマジカルなバンド・サウンド、そして純度の高いMoskitooのヴォーカリゼーションをフィーチャリングした、これが何ともとてつもない珠玉のポップ・ミュージック!最新ミニ・アルバム『Flip Tap』はオーストラリアの良質音響系レーベルのRoom40傘下のSomeone Goodからワールド・ワイド・リリースされ、益々その注目度を高めています。今回初となる新潟ライヴで は、それぞれが様々なアーティスト活動を行っている千葉広樹(ベース)、松本一哉(ドラム)、Moskitoo(ヴォーカル)を加えた4人バンド編成での演奏!乞うご期待です!




HOMETOWN
Tokyo, JP

LABEL
SOMEONE GOOD (AU)
HEADZ (JP)
PLOP (JP)

MEMBER
Keiichi Sugimoto (MINAMO, FOURCOLOR, VEGPHER, FONICA, CUBIC MUSIC)

WEB
FILFLA

VIDEO

All


WST


For



experimental room #11

2012 11 24 SATURDAY

万代島旧水揚場2F「シェアキッチン」

Open 18:00 / Start 18:30

Adv 2000JPY / Door 2500JPY /
From out of Niigata 1500JPY /
Under 18 FREE!

live:
FilFla
Minamo
Moskitoo
福島諭

more info:
experimental rooms
まず基本的な事から伺っていこうと思うのですが、FilFlaの成り立ちにつ いて教えて頂けますか?

ちょうど10年前(2002年)に始めたFonica(フォニカ)というユニットが前身になっています。 Fonicaを更に作曲性を強め、音楽性を制限せず自分が今作りたい音楽を表現でき る場として始めました。

「フィルフラ」って個人的にもとても響きのいい素敵な名前だと思うのですが、ど のような意味があるのでしょうか?

まず僕のプロジェクトの多くは"F"から始まっているので、Fから始まるユニット 名にしようと考え語感とスペルの良さを追求した造語のつもりでしたが、後に検 索したらイタリアの小さな島に「filfla島」というのがある事が判明!その時は 一瞬この名前は無いかなって思ったのですが、"遠い国の小さな島"に郷愁を覚 え、むしろこれしか無いと思いましたw。

FilFlaの楽曲はバンド・サウンド的な力強さの中にオーガニックでエレク トロニカ的な心地良さや緩急に満ちた音の差し引きやハッとさせられる仕掛けが あちこちにあって、惹き付けて止みません!一体どのようにしてフィルフラ・サ ウンドは作られているのでしょうか?

基本的に僕が全て作曲/アレンジしたものをバンドメンバー(現在:千葉広樹 [ベース]、松本一哉[ドラム]、Moskitoo[ヴォーカル])に演奏してもらう形をとっています。 一度出来上がった曲を改めてメンバーに演奏してもらう事で、打ち込みだけでは 表現しきれない部分が出せたり、逆に打ち込みに演奏を合わせるある種のぎこち なさが面白さ/特徴になっているのかもしれません。

1stアルバム『Frame』の頃からと聴き比べますと、2ndアルバム『Frolicfon』以降、ソロ演奏というよ り現在はバンド・サウンドが基調になっていますが、それぞれのメンバーについ てと役割分担的なものについてはいかがでしょうか?

前述したように僕自身(作曲/打ち込み)だけでは表現しきれない部分がそれぞ れのメンバーの特徴になりFilFla独自のサウンドになっていると考えてます。 例えば、千葉君のウッド・ベースでのプレイでポルタメントなどは当然打ち込みで 表現するのは難しいですし、そのタイミングや強さ、弦を叩く音まで考えるとこ の人しかいないって思ってます。ドラムのまっつんは非常に細かなプレイが得意 で彼独自の奏法に加え、僕がめちゃめちゃ細かく打ち込んだプログラミングも全 て生で演奏してくれる勤勉さと実力があります。Moskitooさんに関しては発音が 本当に難しい声を独自の世界観で作り上げているので、この声をポップ・ミュー ジックに使う事事態が実験音楽だと思ってます。

さやにかやausのリリースでも知られ、オーストラリアのRoom40傘下のレーベルSomeone Good からの最新作『Flip Tap』は短めにまとめられた演奏にも関わらず、FilFla の持ち味が濃厚に凝縮された、素晴らしい作品に仕上がっていますが、制作にあ たり何か苦労した点やエピソードはありましたでしょうか?

20分という限られた時間の中に10曲入っているというコンセプトのシリーズ作品 なのですが、それを言葉で表現するなら「宝石箱を開けた時のまばゆさや感動 を」という非常に難しいレーベル側からのオーダーでしたw。 まずこの作品は"アルバム"ありきだという事。1曲単位でも充分楽しめますが、 全曲通して聴く事で面白さの発見につながる作品です。 内容に関しては通常ですと1曲3〜4分くらい要すると思いますが、単純に考えて も10曲だと軽く制限時間越えてしまいますし、1曲2分の曲が10曲並ぶのも単調に なってしまう気がしたので、時間に関してはバラバラにして尚かつアルバム全体 を通して聴いた時にしっかりと起伏のあるものにしようと決めました。3分で勢 いのある曲、10秒のキッチュな曲、1分のメロウな曲など、いろんなタイプの音 楽をちりばめる事でまばゆさと楽しさを表現できればと考えてそれぞれの曲を制 作しました。

FilFlaの他に、FourColor(フォーカラー)、minamo(ミナモ)、Fonica、そして最新のプロジェクトであ るVegpher(ヴェグファー)と、様々なユニット名で活動をされていますが、異なるジャンルでの プレイについてはいかがでしょうか?

パフォーマンスに関してはどのプロジェクトでも観てくださる方に楽しんでもら いたいという気持ちは同じという事を前提に、FourColorやminamoはその場で自 分ができる最大限にチャレンジな音表現の提案に対して、FilFlaやVegpherはこ れまでに自身が作り上げてきた音/音楽を最高に快楽的に浸ってもらうための環 境作りだと思っています。

それぞれのプロジェクトが卓越されたもので毎回驚かされるのですが、普段は 一体どのような音楽を聴いていらっしゃるのでしょうか?

10代から音楽を漁るようになり20代ではそれがマックスになって多ジャンルの音楽を 無作為に聴くようになっていました。そのせいもあってどんな音楽を聴いている かと聞かれるとジャンル表現は難しく、その時々に気に入ったアーティストさん の名前を挙げさせてもらってます。 ということでここ数年はKaren O(カレン・オー)は間違いないですw。

様々なプロジェクトで様々な国で演奏されてきていますが、印象に残っている 国やアーティストがいましたら教えて下さい。

僕はまだまだ"様々な国"というほど各国を廻っているわけではないですが、エク スペリメンタルな音楽に関しては国内外で活躍する日本のアーティストが一番印 象的ですし尊敬してます。この小さな島国で凌ぎを削って活動を続けていくだけ で偉業です。 2004年に町田良夫さんや伊東篤宏さんと行ったマケドニアという国が今までに 行ったどの国とも文化が違ったので印象的だったのと、普段海外に行く場合は短 期間に多くの国を廻る事が殆どなのですが、スウェーデンのストックホルムには 10日間滞在させていただき関わったライヴや展示を通しじっくりと街に触れられ たので思い出深いです。

今回初の新潟でのライヴとなりますが、新潟にはどのような印象がありますか?

今回のライヴのフライヤーにも使われていますが、やはり米所ということでしょ うか。あと日本海近海で獲れるお魚もきっとおいしいでしょうし、B級グルメ(?) のたれかつも興味津々です!、、、と食べモノの話ばかりになってしまいました が、フジ・ロックも新潟ですし、最近ではアート・フェスもいくつかあるので文化事 業に力をいれている印象を持っています。

それでは最後に新潟で待ち焦がれていたファンの皆さんにメッセージをお願い します!

FilFlaとしてminamoとして演奏させていただきます。僕の中では相反する方向性 を持ったこの2つのプロジェクトですが、どこか共通性などを発見して頂く 事でより楽しんで頂けると思っています。いずれにせよ、初の新潟という事で いつも以上に気合いが入ってますので、沢山の方にご覧いただければ幸いです!ぜ ひ会場で同じ時間を共有しましょう!



INTERVIEW in Oct 2012
TEXT by Masato Hoshino