MOSKITOO
FEATURE 031

ニューヨークが誇る音響系重要レーベル12Kからの2007年のデビュー以降、フランク・ブレットシュナイダーやテイラー・デュプリーらが参加したリミックス盤や日本画家の西尾早苗とのコラボレーション作品など、その動向に注目が集まる女性サウンド・アーティスト、Moskitoo(モスキート)。透き通るような蒼さを持った自身のヴォーカリゼーションや身の回りにある様々なモノや楽器を、独自に幾重にもレイヤードして生み出されていくそのサウンドは、何度聴いても心地良く、美しい。そんなMoskitooが間もなく、この新潟の地を踏みます!前回は安永哲郎(minamo/HELLL)とのブロークン・ビーツ・ユニット、Cat Sandとして来新していますが、Moskitooとしては初の新潟ライヴ!寒い季節にほっこり温めてくれるような、心地良いアンビエントな音世界を、是非ご体感下さい!




HOMETOWN
Tokyo, JP

LABEL
12K (US)
SEE RECORDINGS (JP)

MEMBER
Moskitoo (FILFLA, CAT SAND)

WEB
MOSKITOO

VIDEO

Tour in Australia


Live at Super Deluxe, Tokyo Pt.1


Live at Super Deluxe, Tokyo Pt.2



experimental room #11

2012 11 24 SATURDAY

万代島旧水揚場2F「シェアキッチン」

Open 18:00 / Start 18:30

Adv 2000JPY / Door 2500JPY /
From out of Niigata 1500JPY /
Under 18 FREE!

live:
FilFla
Minamo
Moskitoo
福島諭

more info:
experimental rooms
まず基本的な事からお伺いしたいと思うのですが、どのようにしてMoskitooとしての活動をスタートされたのでしょうか?

10代の頃からいくつかのユニットで演奏をしたり、歌ったりしていたこともあって、自然に一人で音楽を作り始めました。2005年頃です。 その頃は日記のようになんとなく蓄積した、どこへも向かわないような録音物と思っていましたが、ふと録りためたものを色んな人に聴いてもらいたくなりデモを送ったところ、すぐに連絡をくれたのが12kのテイラー。2007年にアルバムをリリースさせてもらうことになって、Moskitooとしてのちゃんとした?活動が始まった気がします。

幾重にもレイヤードされた声や楽器、エレクトロニクスを駆使して、何とも心地の良い美しいサウンドを生み出していますが、どのようにして楽曲は制作されているのでしょうか?

ギターやキーボード等を録音してから、解体したり絡めたり混ぜたり、を繰り返して。

Moskitooのサウンドにはアンビエント、エレクトロニカ、ミニマルなど、様々な音楽性を感じつつも、どれにも傾倒しきらない、絶妙なサウンドとなっていますが、ご自身どのようなものに今まで影響を受けてきたと思いますか?

アンビエント等だけではなく、ロック、ポップス、サイケ、フレンチ・ポップやボサノヴァなど色々なジャンルの音楽からインスピレーションを受けています。(ただ、ジャンルにはそれほど詳しくありません。。)音楽だけじゃなく映像やものがたり、季節、感傷、色々なモノ、コトからも...。インプットのそれほど多くない環境でしたので、限られた情報の中から想像したり空想したり、自分なりのものとしてアウトプットする時間の方が長かったような気も。

Moskitooの声や歌は、言葉の響きと共に心地良くも純度が高く、その美しさに魅き込まれるものがあります。発せられる言葉や歌詞は、どのようなものにインスパイアされて制作されているのでしょうか?

自然に浮かぶ言葉をサウンドとして捉えて、作る事が多いです。一つの言葉から、イメージを外へ引き摺り出すような、記憶の地引き網みたいなことをしたり。コラージュのような、言葉遊びも好き。見る角度や光の当たり方でいろいろな形に見える影のように、どんな形なのかは自由に空想できるような...。ちょっとした余白を、行間に残したいとも思っています。様々なものにインスパイアされていると思いますが、「言葉」という意味では、童謡や絵本、物語の影響は大きいかも。

Moskitooの1stアルバム『Drape』やリミックス作品などもリリースされているニューヨークのレーベル12k所属の国内外アーティストによるフェス"Qu iet October"にご出演され、またフライヤーなどのデザインもご担当されたとの事ですが、振り返ってみてイベントはいかがでしたか?

「12k」というキーワードの元で、これまでにいろいろな街で一緒に演奏する機会を得ることができましたが、今回、東京でこれまでの集大成とも言えるフェスティバルに携わる事ができたことは、とても感慨深いです。*Asteriskで出演頂いた方も素晴らしくて、全体の演奏を通じてとても大きな刺激を受けました。多くの人が、静かに耳を傾けてくれていたことも印象に残りました。

前回は今年7月にminamoの安永哲郎さんとのユニットCat Sandとして新潟にいらして頂きましたね。サウンドの共通点を感じられるところもありますが、ある意味真逆的なサウンドのアプローチにも感じます。ご自身はソロとこちらのユニットの違いについてはいかがでしょうか?

Cat Sandでの新潟遠征、とっても楽しかったです!Cat Sandでは、個人的には... 猫が踊り狂う邪悪なクラブとか、安永さんが買い物にいくときのテーマソング、新しい盆踊り、体操などを勝手にイメージしてビートや音を作っています。二人で作ったメチャクチャなものをどんどん「猫砂」でミックスしていきたいですね。

今回の新潟は、待望のMoskitooとしてのライヴと、FilFlaのヴォーカルとしてのライヴになりますが、FilFlaでの活動についてはいかがですか?

基本的にFilFlaは杉本さんのソロ・ユニット。杉本さんが作る音源に、ヴォーカル・ラインを考えたり、歌詞を作ったり... といった形での参加になるのですが、今までは自分のできる範囲でしか音楽を作っていなかったので、FilFlaに参加することで自分の中での可能性がとて も広がりました。FilFlaの楽曲は曲によっても違いますが、ヴォーカルがその曲の核となる一方で、インストとしてもかなり突き詰めて作られているので、演奏に呼応しながらもメロディや歌でさらに変化をつけられるように、考えながら作っています。

1モスキート・ファンとして、次なる作品を期待せずにはいられないのですが、今後の予定についてはいかがでしょうか?

今、新しい作品を作っています!と言い続けて何年か経ってしまいましたが... 、2013年には新しい作品のお知らせが出来たらいいなぁと。iPad/iPhone用のアプリケーションの「音楽絵本・銀河鉄道の夜」の音楽を担当しているので、ぜひ見てみて欲しいです。あと、ヴォーカルとしての参加や、コラボなどの予定が進行中です。

札幌のご出身という事ですが、札幌の音楽シーンについてはいかがですか?

札幌といえばWeird-Meddle Recordの話は欠かせません。札幌のインディー・シーンに大きな影響を与え続けているレコード屋さん。インディー・シーンでは、独自の方法論でクオリティを高め続け、自身の音楽性と向き合っているストイックなアーティストが多い印象です。逆にそれくらいの強い意志がないと、アーティスト活動を続けるモチベーションが保ちづらい街だったりもするのかも。雪深い冬、気が遠くなるほどの寒さ、自然、景色が創作に与える影響はとても大きいので、北海道でしか生まれないオリジナルな音楽を作られている方はきっと多いと思います。

それでは最後に新潟のモスキート・ファンの皆さんにメッセージをお願いします!

こんにちは! 前回はCat Sandでお邪魔させていただいて、今回はFilFla、Moskitooとして演奏できることになり、本当に楽しみにしています。ぜひ足を運んで頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします!





INTERVIEW in Oct 2012
TEXT by Masato Hoshino