haruka nakamura
FEATURE 076

オーケストラルな息遣いを感じる”PIANO ENSEMBLE”、即興的なセッションを試みる”LABO”など、他アーティストとの関わりを深めつつ、旅先の巡りゆく情景や様々な人との出会いを通して音の対話を続けている、青森出身/東京在住の音楽家ハルカ・ナカムラ。2008年の初作『Grace』をはじめとした3部作の完結を経て、2015年にKitchen. Labelより発表された渾身の最新作『音楽のある風景』は、これまで共に歩んできた様々な演奏家によるテクスチャーと彼の静謐なピアノとを丁寧に織り成していき、穏やかで柔らかく情景的なサウンドを創出させ、特別な美しさと胸を打つ感動を私たちで届けてくれたのでした。そんな彼が2012年の春よりスタートさせた青木隼人とのデュオ編成で、いよいよ新潟にやって来ます。これまでのこと、新潟のこと、デュオのことなどをお聞きしてみました。是非ご覧下さい。




HOMETOWN
Tokyo, JP

MEMBER
Haruka Nakamura

LABEL
KITCHEN. LABEL (SG)
FETE MUSIQUE (JP)
SCHOLE (JP)
INPARTMAINT (JP)
HYDEOUT PRODUCTIONS (JP)

WEB
HARUKA NAKAMURA
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HARUKA NAKAMURA instagram

VIDEO

Days (as AOKI,hayato と haruka nakamura)





音楽のある風景





experimental room #21



2016 04 02 SATURDAY

Kiageba Kyokai

Open 17:30 / Start 18:00

Adv 3500JPY / Door 4000JPY / From Out Of Niigata 3000JPY / Under18 FREE!

live:
PJUSK + YUI ONODERA
AOKI,hayato と haruka nakamura

dj:
IXALODS

more info: experimental rooms
まずはじめに自己紹介をお願いします。

ピアノを弾いています。たまにギターも。音楽の旅をしています。

ハルカさんの楽曲は、様々な情景が浮かぶような非常に美しいサウンドが印象的なのですが、いつどのようにして音楽をスタートさせたのでしょうか?

ピアノを少し、母親に習いましたが、10代でギターに出会い、それからはギターを。そしてここ最近はピアノに戻りました。作曲をし始めたのは15歳くらいです。

普段どのようにして作曲されているのでしょうか?

ライヴのほとんどが即興的なものなので、演奏中に作っています。気になった曲は何度かすることで深度が増していく経過を見守っています。

楽曲の制作にはどのようなものにインスパイアされることが多いですか?

その場所。一緒に演奏する音楽家とのぶつかり合い。旅で出会う情景、人との出会い。ルーツなどです。

今回新潟へは”AOKI,hayato と haruka nakamura”名義でいらしてくださいますね。こちらのデュオでの結成時、青木さんの第一印象についてはいかがでしたか?

僕はもともと、青木さんのファンなので、僕からご一緒したいと申し出ました。ギターの音色、間合いの取り方、シンプルで美しいジャケット・デザインまで一貫された美意識。全てを自分で、ものづくりされる姿勢。とても尊敬していました。そして共に旅をすることで、それはより強まりました。青木さんの人柄を思い出すと、星野道夫さんの「旅をする木」、長田弘さんの「人はかつて樹だった」などの本の世界を連想してしまいますね。

どのようなところに青木さんとのシンパシーを感じられたのでしょうか?

同じ魂と、全く逆の光をそれぞれが持っているところ。

青木さんとの楽曲制作についてはいかがでしょうか?

ぼくらの最初のころは青木さんからの手紙に返事をして、やり取りを楽しんでいました。いまは旅が曲作りのようなもので、とても得難い時間を過ごしています。この旅が出来るだけ長く続けば良いと思いますが、終わりがくることも大事にしたいです。

近年は青木さんとのデュオをはじめ、PIANO ENSEMBLE、LABOなど、他アーティストとの関わりが増えていますね。こうした他アーティストとのコラボレーションについてはいかがですか?また今後コラボしてみたい方はいらっしゃいますか?

僕にとっては、音楽は人と作るものです。一人でライヴをやっても楽しかったことがないので、ソロをやりたい気持ちが湧いたことがありません。自分だけのもの、という音楽をまだ手に入れてないのかも知れません。ご一緒したい方はたくさんいます。今は箏の演奏家の方と、とてもご一緒したいです。狂言や神楽も昔から興味があります。ヨーロッパのコーラスグループのヒリアード・アンサンブルさんとか、いつか出来たら夢ですね。それからピグミー族という民族のリズムが最高に好きなので、いつか現地でセッションしたいです。あとはやはり故郷、津軽の民謡の歌い手さんや、三味線です。じょんがら節です。最近のセッションでいえば、原田郁子さんとの演奏は最高に楽しかったです。CANTUS、森ゆに、西森千明、baobab、田辺玄くんたちは何度もやってて、いつやっても楽しいです。

新潟での演奏は、2013年3月の山ノ家(十日町市まつだい)で行われた松本一哉 + 齋藤功、sawakoとの演奏会ぶりとなりますでしょうか?一音一音、非常に興味深いコラボレーション・ライヴだったのですが、振り返ってみていかがでしたでしょうか?

そうなりますね、とても懐かしい。あの時は、夜にかまくらに行きました。思い出深い旅です。僕も北国育ちなので、新潟には親しみがあります。素晴らしい温泉もありましたね。よい温泉があることは、旅にはとても大事なことです。

改めて新潟の印象についてはいかがでしょうか?

今は友達が出来たので、最初に来た時とは印象が違います。親しい友達に会いに行く場所です。エフスタイル(F/style)さんという素晴らしい二人のおかげです。

最近のお気に入りの作品やアーティストがありましたら教えて下さい。

最近は寺尾紗穂さんの『楕円の夢』を聴いています。エンジニア葛西君の音作りが素晴らしいのです。彼は同じ青森出身で、嬉しいです。

今後の予定がありましたら教えて下さい。

今年は去年から引き続きPIANO ENSEMBLEのツアーをしていて、シンガポール、福岡、大阪と巡っています。東京でのファイナルも近づいてきました。いつまで続けられるかわからないENSEMBLEなので、もしよろしければ何処かであの時間を共有してもらえたら嬉しいです。

新潟市内での演奏は初めてかと思います。最後に新潟で待つファンに一言お願いします!

いい温泉があればこっそり教えてください。



INTERVIEW in March 2016
TEXT by Masato Hoshino